日立市から常陸太田市にかけての山地で発見された「カンブリア紀地層」は、日本で最も古い約5億年前の地層であり、古生代の日本の地層の成り立ちを知るうえで極めて貴重なものである。茨城大学名誉教授の田切美智雄氏は、2008(平成20)年、日立変成岩の一部が約5億600 万年前のカンブリア紀のものであることを発見・発表した。
5億年前といえば、日本列島はまだ誕生しておらず、地球上にはパンゲアという超大陸が存在していた時代である。パンゲアが分裂して中国大陸の元となる大陸が生まれたのが2億年前である。中国大陸の東の縁の一部が裂けて、日本海ができ始めたのは2000万年前、1500万年前には日本海がほぼできあがり、日本列島は現在の位置まで移動してきた。この日本列島の移動は東西に分かれた2つの島が、西側の島は時計回りに回転しながら、東側の島は反時計回りに回転しながら移動してきたと考えられている。日本列島の誕生と移動については、別の投稿「列島誕生 Gio Japan」を参照されたい。現在の位置に達した2つの島の間は当然海があって日本列島はひとつづきの島ではなかった。その後プレートテクトニクスによるフィリピン海プレートに載った伊豆・小笠原弧が関東地方に衝突するという大事件がおき、それが丹沢山地となる。またこの衝突は火山が次々と日本列島に押し寄せてきた結果なので、火山噴火が連続して起きた。その噴火によって噴出した火山灰が堆積して、関東の位置にある海を埋め立てることになった。それがフォッサマグナである。
話を日立市で発見された日本最古の地層に戻そう。日本列島がユーラシア大陸から分かれる際に、大陸の東端にあったカンブリア紀の地層の一部が2000万年前に始まった列島の移動と共に現在の位置まで運ばれてきたのである。

図は日立市の地層図である。緑色のカンブリア紀、青色の石炭紀、黄色のペルム紀と南北に細長く西から東へ古い地層から並んでいる。まるで水平に積み重ねたサンドウィッチを縦にした断面を見ているようである。この緑青黄の地層サンドウィッチがより新しい赤の白亜紀の上に乗り上げている。これはたぶん白亜紀以降に大変動があり、古い地層が下から突き上げられ、その後東から押されて西の白亜紀の地層の上に乗り上げたように思える。
神峰公園の地層は5億年前に誕生し、2000万年前から1500万年前にかけてユーラシア大陸の東端から700kmも移動して、現在この地にあるという不思議。「よくぞここまでやってきたな」と声をかけてやりたい程、雄大な気持ちになる。

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