さいたまランフェス2023出場

 2023年1月22日のさいたまランフェスにエントリーしていた。この大会はハーフマラソンと10kmのレースであるが私は10kmの部に出場した。例年だとさいたまマラソンという名称で12月初旬の開催レースであるが、5年前から横浜国際マラソンの枠を引き継いだ国際大会レースとして開催されてきた。しかしコースにアップダウンが多く記録が出にくいと有力選手からは敬遠され、さらに3年前からはコロナ感染流行から開催そのものが見送られていた。今年は国際マラソンという位置づけを返上し単なる市民マラソンという位置づけに戻って開催される。

 1月21日の天気予報では、22日大会当日の天気は曇り、風は弱く最高気温7°C、午前9時の予想気温は2°Cとかなりの寒さであった。マラソン大会はスタート前に整列して号砲が鳴るまで40、50分は待機時間がある。会場である駒場運動場の配置図を見ると、私のエントリーしている10kmの部の待機場所はスタンドの北側の陽の当たらないエリアである。当日は曇り予報なので陽当たりは期待できないが、寒い場所で40分以上待機することは間違いない。

私はこれまで、11月、12月、3月のマラソン大会の経験はあるが、大寒の1月下旬のレースは初めてである。しかも今回は猛烈な寒気団がシベリアから南下してくる予報で、24日から26日にかけて日本列島には10年に一度の大寒波がやってくる予報である。22日は寒波襲来の前であるが、例年より寒い日になるのは間違いなさそうである。そこでネットで真冬のマラソン大会の寒さ対策を調べて次のような対策を実行することとした。

 服装であるが、上下ロングタイプのコンプレッションアンダーウエアの上に長袖Tシャツとハーフパンツ。マスク兼用にもなるネックウォーマー、テニス用帽子、手袋。この時期普段の練習時にはこの上にウインドブレーカーを着て走っている。当日の気温と待機時間を考え、使い捨ての100均レインコートかウインドブレーカーか迷った。ゼッケンはこのウインドブレーカーの上にピンで留めるので、レース中は脱げないという欠点がある。使い捨ての百均レインコートは透明なので、Tシャツにゼッケンを張っても視認可能であり、暑くなったら脱いで沿道のスタッフに渡して捨ててもらうことができるのが利点である。迷った末普段練習で着ているのと同じ服装の方が心理的にも落ち着くと思い、テニス用のウインドブレーカーを着て走ることにした。当日走り始めて体が温まるのに5~6キロはかかるだろうし、暑くなった頃には10kmのゴールに到達していると思いきることにした。さらに腹部と顔にワセリンを塗り、Tシャツの腹と後ろの首の付け根にホッカイロを張り付けた。

 

 当日の朝食は消化のよさを考慮して前日の鍋の残りとごはん一杯を食べ、バナナを1本チョコレートひとかけらと龍角散のど飴と持参し更衣室で食べて糖分を補給することにした。

 22日日曜日レース当日、7:40分に家をでた。家から会場の駒場運動場までは3.4km、徒歩44分である。天気は曇り気温2℃である。前日に決めた服装の上からユニクロのダウンジャケットを羽織って徒歩で会場に向かう。レースコースである246号バイパス沿いに歩くと、すでに交差点など要所要所に警察車両やスタッフが準備作業に入っている。足早に歩いたので35分で到着した。今回の大会では当日の体調をアプリに入力し、入力済であることのメールを受信し、受信したメール画面を会場の入り口で提示しないと入場できない仕組みにになっている。何でもスマホの時代である。入場時にサーモグラフィカメラで検温もされているようだ。自分は朝自宅で体温測定したきたので安心している。更衣室でダウンを透明袋に入れついでにバナナとチョコを齧って、飴を口に入れてから、競技場に下りて荷物を荷物預け場所に預けて待機場所に向かう。待機場所で前後の人達の服装を見ると、ロングタイツとロングスリーブのアンダーウエアの上にTシャツとハーフパンツという格好が大部分であったが、中にはウインドブレーカを羽織っている人もいる。ワセリンとホッカイロのせいか寒さはほとんど感じなかった。小刻みに手足を動かして体を温めるだけでよかった。寒さ対策が成功したようだ。むしろ風が0mと無風状態であることがよかったのかもしれない。前日からの準備が報われすごく充実感を感じる。

 9:00 スタートの号砲が鳴った。とはいえランナーが一斉に飛び出すというのは、一流のレースだけである。市民マラソンでは、前後左右団子状態になっているので、スタート地点まで集団でのろのろ移動してゆくのが常である。スタートラインを集団と共に通過する瞬間に自分のスマートウォッチのスタートボタンも押す。大通りに出てようやく集団の中に隙間ができ、徐々に走る空間が生まれてくる。各自のペースで走り始める。

1kmの看板を掲げている地点を通過。自分のラップは6分35秒である。普段の練習では7分以上かかっているので、周囲に釣られて速いペースで走っている。前を自分と同年代くらいの高齢ランナーが走っているので、その人を目安に走っていたが、次第に離されていく。後ろから来た若いランナーが次々と追い越していく。そんなふうに6分台後半を維持しながら、見沼有料道路を過ぎ、緩い下りと緩い上り坂を駆け上ると、折り返し地点の浦和大学の建物が見えてきた。すでに折り返してきた先頭集団とすれ違い始めている。折り返し地点の手前で最初の給水ポイントがある。お揃いのジャンパーを着たスタッフ達ががんばって下さいと声をかけながら紙コップに入ったスポーツドリンクをテーブルに並べている。端から選手たちがコップを取っていく。私もスポーツドリンクを一気に飲み、次のテーブルの水のコップも手にした。

 5kmの折り返しをUターンし、ゴールに向かう。有料道路手前の上り坂が今度は苦しい。息が荒くなってくるのがわかる。後ろから3人の若いランナーが話しをしながら自分を追い越していく。若い人は余裕があるなーと思いながら走っていると、今度はお揃いのウエアを着た女性ランナーの二人組が頑張ってくださいと声をかけながら、追い越していった。おそらく協賛している「しまむら」の陸上部員がボランティアで市民ランナーのケアを引き受けているのだろう。そもそも彼女らの走りは競技ではなく、軽く流しながらジョギングするような走りで、それでも私よりもスピードがある。見沼有料道路は1260haという広大な緑地地帯である見沼田んぼを東西に横断する橋である。橋の上からは広大な緑地空間やその向こうにある浦和の街並みが見渡せる眺めの良い場所である。そんな景色にもちらちらと目をやりながら走っていく。

 沿道にはまばらではあるが、応援をする人たちが立って声援を送ってくれている。拍手をしたり手を振ったり、そういう人たちの姿を見たり声援を聞いたりすることで励みになる。走り続けようという気持ちが沸いてくる。ありがたいことである。

 7㎞の給水所に来た。スポーツドリンクを1杯もらって、走り続ける。往路では感じなかったゆるやかなアップダウンが復路ではつらい。ハッハッと息が粗くなる。駒場スタジアムが見えてきた。スタジアムへの侵入路前にいったんUターンして左に折れるとスタジアムへの進入路である。スタッフが立っていて、「10kmは左に寄って下さい。ハーフのひとは右です。」叫んでいる。左へ折れてスタジアムへ向かう。あと500mだ。誘導員や応援の人々が声援を送っている中、スタジアムのゲートをくぐる。トラックに入って正面の直線を100m行ったところがゴールである。ゴールと同時にスマートウォッチのストップを押す。1’11″59だった。

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