日本列島の成り立ちを最新学説に基づき紹介したNHKの自然科学番組である。2017年放送。この番組で初めて、日本列島が大陸の一部から分離し、二つに別れた後弧状列島を形成したことを知った。
日本の成り立ち ジオパークと海の文化館HPより
番組では日本列島の成り立ちを4つのステージに分けて解説している。
1.大陸の端の断裂 2500万年前、ユーラシア大陸に割れ目が生じ、引き裂かれる地殻変動が起こった。この地殻変動は、太平洋プレートがユーラシア大陸の下に沈み込むことにより、ユーラシア大陸の端が太平洋プレートの上に乗りあがり、めくれ、ついには引きちぎられたものである。その後断裂は大きくなり、西日本は時計回りに、東日本は反時計回りに回転した。いわゆる「観音開きモデル説」である。1985年に乙藤洋一郎らが提唱した。
2.火山の連続衝突 フィリピン海プレートには火山が一直線上に並んでいる。それは伊豆バーと呼ばれる火山性の地殻である。伊豆バーはフィリピン海プレートの北に向かう移動に伴って、開裂後の本州に衝突した。この衝突によりできた山地が、櫛形山地、御坂山地、丹沢山地、伊豆半島である。南の島の火山島は海底火山であり、現在も伊豆に向かって移動し続けている。
3.地球史上最大の噴火 1400万年前1000℃の高温プレートと西日本が衝突し、西日本が乗り上げた結果、マグマが発生し巨大カルデラ噴火が起こった。この巨大カルデラ噴火により西日本は山国へと変貌を遂げた。この噴火の証拠として、和歌山県の古座川の一枚岩がある。高さ150m幅500mの花崗岩の一個の巨大岩石である。那智の滝も同様の一個の巨岩であるし、神倉山のゴトビキ岩もそうである。これは地殻の中でマグマが冷えたとき、比較的軽い花崗岩となったため、地殻の中で浮上して地表に出てきたものと考えられている。
4.東日本の大隆起 日本列島の南にあるフィリピン海プレートは、太平洋プレートにぶつかり北西に進路を変えた。同時に太平洋プレートも引きずられて西向きの移動を始めた。すると東日本の大地を押し上げて隆起させることになった。これが東日本の東西圧縮と呼ばれる運動である。新潟の八海山、北海道の日高山脈、北アルプスもこうしてできた。50万年前海から隆起したのが房総半島である。
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