今年のさいたまマラソンは4年ぶりのフルマラソン大会として開催される。去年はハーフと10km走だったのだが、今年はフルマラソンと8km走になっている。私は8kmの部にエントリーしていた。2月12日三連休の最終日、会場最寄りのJRさいたま新都心駅の改札はすでに出場者達の到着で混雑していた。昨年とは参加者の規模が違うなと感じた。改札を出て人込みの中をさいたまアリーナを目指す。アリーナの入り口からすでに人、人で溢れている。昨年は地方都市の市民マラソン大会の趣だったが、今年は大都市のマラソンフェスティバルの様相である。アリーナの中に入っても人の波である。トイレに行列ができいる。私もトイレに行っておこうと並んだ。その行列は一向に前に進まず時が過ぎていく。6,7分並んだところで、時刻は8:25であった。手荷物を8:30までにゴール会場の駒場運動場まで配送するトラックに預ける必要がある。トイレは諦めて上着やトレパンを脱いで、所定のナンバーカードを貼り付けたビニール袋に入れる。私の服装は、下はロングスリーブの密着タイプのアンダーウエアの上に短パン。上はやはりロングスリーブのアンダーウエアの上に長袖のTシャツ、ネックウォーマ、テニスキャップといういでたちである。ゼッケンをTシャツにピンで留めて出走の準備を終える。8km走の参加者用の手荷物預け場所はアリーナの外の道路なので、会場出口から外へ出る必要があるがとにかく人がたくさんいるので、人をかき分けて前へ進むのに時間がかかり、手荷物預け場所に着いたのは8:30を過ぎていた。それでも荷物は受け付けてくれたので、ホッとして自分の出走待機場所まで移動を開始した。ゼッケンの頭文字のアルファベット順に待機場所が割り振られている。私の頭文字はDなので、Dエリアに向かい人込みの中を進む。Eエリアまで進んだところで、屋外に設置された簡易トイレの前に列ができていたので、ここでトイレに行くことにして列に並んだ。この列の進みは割と早く、5分ほどの待ち時間で順番がきて無事トイレを済ますことができた。その後Dエリアを目指したが、Eエリアの中程から出走者が密集していて前に進む隙間がなく、仕方なくここで待機することにした。天候は晴れ、気温は4℃、北北西の風は3m程で、時折ヒュウと強く吹く。風は北風なので冷たい。腹部にはワセリンを塗り、ホッカイロをアンダーウエアに貼り付けてある。小刻みに足踏みして体を動かしていればそれほど寒さは感じない。時刻は8:50であった。するとスピーカからの司会者の一声があり開会式が始まった。
清水市長の大会宣言からだが、清水市長は今日初めてフルマラソンに挑戦するそうである。回りから拍手が起った。開催者発表によると、今年の参加者数は1万9千人だそうだ。続いて大会アンバサダーのゲストランナーである野口みずきさんがマイクを持ち、参加者への応援とランニングのアドバイスなどを話しているうちにスタート時刻9:00となった。集団はのろのろとスタート地点まで移動を開始したが、人ごみでどこがスタート地点なのかわからない。スピーカーからは司会者と野口さんの激励のメッセージが間断なく流れていたが、アリーナの周囲をだいぶ回ってようやくスタート地点が見えてきた。前方左手の宣伝カーの上に立って、司会者や野口さん、その他のゲストが手を振っているのが見えた。手を振る野口さんを見ながら自分のスマートウォッチのスタートボタンを押す。時刻は9:12だった。だんだんと周囲に隙間ができて、走り始めることができた。
アリーナから大通りに出てから東北新幹線、高崎線、京浜東北線などJR各線の上を跨ぐ長い橋を渡って、県道164号線いわゆる旧中山道に入り、その道を南下する。南下し始めてすぐ新都心駅の東口の手前で和太鼓の演奏で応援してくれている集団がいる。ドンドンと力強く鳴らされる太鼓に音に力をもらいながら、坂を駆け上がっていく。するとその先の左手から賑やかなサンバのリズムが聞こえてきた。カーニバル衣裳のお姉さん2名がリズムに合わせてランナーを鼓舞している。
旧中山道はJR線に沿って直線に南下しながら住宅街を貫通する道路である。沿道には応援の人々の塊が、駅に近づくにつれ切れ目なく続くようになる。知人が出場しているのだろう手製の応援プラカードを持った人も目に付く。大原陸橋への分岐近くで、走っている集団に「おおっ」というどよめきとともに「野口みずきだ」という声がして、右後方に目を向けると小柄な野口さんが笑顔で手を振りながら、右側から追い越していくところだった。小柄ながら広いストライドでさっさと駆け抜けていってしまった。トップランナーの走りを真近に見たのは初めてだった。沿道の応援の人の数も増えてきて北浦和駅に近くなったのが判った。見慣れた風景が現れたのでそうと判ったのだ。給水ポイントが見えてきた。赤いジャンパーのスタッフがテーブルに紙コップを並べているが、並べた先からランナーたちの手が伸びてなくなっていく。気温も上がってきていて水分補給要求は高まっている。一つ目のテーブルではコップは手に入らず、その先の二つ目のテーブルから水の入ったコップを手にできた。ポカリスエットのようで甘くおいしかった。その先のテーブルで2つめのコップを手にした。
ショッピングセンターの建物を左折してグランド通りに入る。ここまでくればあと2kmほどでゴールだ。相変わらず後方からくる若いランナーに追い抜かれながらも、懸命に走る。どきどき私より高齢に見えるランナーが疲れて速度を落としているのを追い抜いたりするが、抜かれる割合の方がずっと多い。本太中学の前の坂が結構つらい。そこを上がれば産業道路に突き当たり、右に曲がるとその400メートル程先はゴールの駒場運動公園だ。8㎞ランナーは左に寄れというプラカードが見えた。もうすぐ運動公園の入り口である。左に折れて、運動公園に入る。陸上スタジアムにつづく道路に三角コーンで進入路が形成されている。青ジャンパーの誘導員がスタジアムの方角へ手で示している。「もうすぐです、がんぱって」と声を掛けている。陸上スタジアムに入った。400メートルの周回レーンを約1周したところがゴールだ。その400メートルがとても遠く感じられる。あそこまでいくのかという気持ちになる。トラックの内側に何人かの誘導員が「ゴールはもうすぐです、がんばってください」と声を掛けてくれる。中学の陸上部員だろう。とても若い人たちだ。ゴール前の直線でも最後のスパートはできない。ゴールするのがやっとであった。ストップウォッチを見るとちょうど1時間であった。
去年は10Kmを1時間11分だったので、今年8㎞を1時間ということは去年よりペースは落ちていることになる。後半の走りは尻すぼみにペースが落ちている感じがした。実際FitBitのラップを見てみると前半は7分20秒台で走っていたが、後半は7分39秒、8分0秒、7分35秒に落ちている。持久力が低下している。来年はレースに向けてもっと走り込まないといけない。
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